練馬区立練馬東小学校

小学校/理科・社会・全校集会

「実物」超えるインパクト

練馬区立東小学校では平成21年度の補正予算で、50インチの地デジ対応TV4台、電子黒板1台、プロジェクター1台が配備された。TVは図書室、音楽室2教室、理科室に、電子黒板は家庭科室に設置。同校の安藤教諭は昨年度からアバー・インフォメーションの実物投影機を活用しており、平成22年度から同社の「AVer Vision」も追加、学年ぐるみで取り組んでいる。3学年を担当している安藤智英美教諭、荻原元貴教諭、青木文郁教諭に活用方法と使い勝手を聞いた。

安藤智英美 教諭
ハチの巣を拡大してデジタルTVの大画面で見ると迫力満点

セッティングがとても楽でした

アバーの実物投影機を初めて使ったときは驚きました。教室のアナログTVと接続したところ、ケーブルを差し込んで大きくしたいものを置けばオートフォーカスで焦点が合い、すぐに映り、セッティングがとても簡単でした。拡大しても画像が鮮明です。とても軽くて持ち運びも楽でした」

これまで同校にあった実物投影機は1台のみで、焦点を合わすのに時間がかかるなど使い勝手に問題があり、活用が進んでいなかったという。

現在は社会科で使う場面が多く、「3年生では、地域学習で練馬区や地域の地図を映しました。地図から自分の家を探せない子どももいますから、地図を見ながらこれから行く場所を予習し、さらに今日行った場所などを振り返りました。黒板で説明するには限界がありますので、実物投影機の活用は有効ですね」と述べる。

算数ドリルの答え合わせでは、今どこを説明しているのかすぐにわかるので子どもたちからの聞き直しが少なくなり、集中力を切らせず授業を進めることができるという。

顕微鏡に接続して一斉観察

理科専科の教員もよく使う。接眼レンズに専用アダプター(オプション)を付けると、実物投影機を顕微鏡に接続できるので、全員で敷地内の池の水を顕微鏡で観察した。

「各自顕微鏡をのぞいているものの、ゴミや空気泡を熱心に観察してしまう子どももいるものです。実物投影機を使って全員一斉に顕微鏡画面を確認することで、今自分が見ているものが見るべきものかどうか、すぐにわかります」

実物投影機を使えば、肉眼では確認できない微生物の細かな動きなども迫力ある映像として見せることが可能だ。顕微鏡に映った映像は静止画として実物投影機の内蔵メモリーに記録できるので、提示したものを保存し、学年や教科の教材として共有できる。さらに「AVer Vision」なら、静止画だけでなく、PCを使わずに動画データをUSBメモリーやSDカードに保存することもできる。

学年集会でも説明が行きわたる

荻原教諭は、遠足の説明会で、電子黒板に実物投影機を接続してタイムテーブルやしおりなどを提示し、ルートを地図で確認するなどした。

「3年生は、口頭の説明のみだと記憶に残りにくい面があります。実物投影機で視覚的に見せることで、重要事項を全員に周知させるのに役立ちました。これまでは説明したいものをスキャナーで取り込んで提示したり、拡大コピーしたりしていましたが、実物投影機は見せたいものを置くだけで良く、準備が短時間で済みます」

教室では、児童のノートをよく映しているという。「3年生の場合、ノートの取り方にも細かい指示が必要です。何マス空けるのか、式と答えをどの位置に書くかなども、実物投影機で見本を提示すれば、瞬時に理解できます」

児童のノートを映す場面が増え、丁寧に書く、きれいにまとめるなどの意欲も生まれた。

大スクリーンでおすすめ図書

青木教諭は昨年度、5年生の理科「生命の誕生」で、母体のおなかにいる赤ちゃんを想像して描き、児童どうしお互いにどのような予想図を描いたのか、実物投影機を活用して発表し合うことができた。

「TVに自分の描いたものが細部まで大きく映りますから、発表する児童も意欲的に取り組むことができました」

青木教諭は図書委員会の担当でもある。5、6年生の図書委員が、全校集会でおすすめの本を紹介する活動で「AVer Vision」を活用。低学年向け、中学年向け、高学年向けに図書の表紙などを見せながらあらすじを発表した。

「初めて体育館の大スクリーンに映ったときは、子どもたちから歓声が上がりました。子どもたちが言葉だけで全校児童を集中させるのは大変ですが、画像があると説明しやすく、聞いているほうも集中しやすいですね」

PCなしで授業できる

大画面のデジタルTVや電子黒板と接続することで、拡大して見せる面白さも倍増する。「AVer Vision」は500万画素を有し、ハイビジョンに対応。高画質映像に対応したデジタルTVならば詳細部分まで鮮明に拡大でき、実物を見る以上にインパクトのある映像を提供できる。USBメモリーに動画や静止画を保存しておけばすぐに投影できるので、デジタルTVをより手軽かつ多様に使うことができる。

今後の活用として安藤教諭は、「社会科の町探検で、デジタルカメラで撮影したデータを子供たちどうしの発表の場で使ってみたい。写真や動画データを実物投影機で投影するなど、PCなしで授業ができるので、様々な場面で活用できそう。機械が得意ではなくても使える点が魅力ですね」と話す。3人は「今後もいろいろな活用を試してみたい。各教室に提示機器と実物投影機が常設されていることが理想ですね」と述べた。

ここがポイント!

微細な特徴まで一瞬で示せる利点は大きい

「肉眼で見るよりも迫力のある映像」という言葉が印象的。視認しづらい微細な特徴まで、子どもたち全員に一瞬にして示せる利点は大きいですね。動植物を扱う場合、「授業中に見せたいその一瞬がうまく提示できるとは限りません。それらの画像・映像を保存しておけるということは、授業者の安心感にもつながります。練馬東小学校では、見学会や遠足の事前説明、集会での発表等、通常の教科学習の場面以外にも効果的に活用している場面があり、こういう場面でこそ、小型・軽量かつ設置・操作が容易といった実物投影機の利点が生かされます。