拡大投影の効果で授業を
スムーズに
ICT環境の整備・活用にも意欲的に取り組む真岡市立久下田小学校(旧二宮町立久下田小学校)は、平成20年9月の新校舎への移転に伴い、ICT環境を整備した。全教室(普通教室14・特別支援教室2)にプロジェクターと児童用PCとプリンターを1台ずつ、また普通教室のすべてに大画面のプラズマ・ディスプレイを整備。電子黒板は各学年に1台あり、実物投影機も多くの教員が活用している。4月の入学式から毎日・毎時間、実物投影機を使ってきた小林勝教諭(1学年担任)は、昨年からアバー・インフォメーションの実物投影機を活用している。
小林 勝 教諭
視覚的な指導が児童の演奏技能の向上につながる
児童から「キレイ」と歓声
これまで使っていた実物投影機は、授業で細かな文字を投影するには充分とはいえなかった。アバーメディア・インフォメーションの実物投影機については「オートフォーカスで瞬時に焦点が合うのでとても使いやすく、操作・設置が簡単で直感的に操作できる。なにより画質がきれいで、これまで映せなかった小さい文字もはっきりと確認できて児童も理解しやすい」と説明する。高画質が魅力のAVerVisionシリーズだが、実際に小林教諭が初めて授業で活用したところ、それまでの画質に慣れていた児童から「きれい!」と歓声が上がった。大画面のプラズマ・ディスプレイを通すと、よりはっきりと画質の違いがわかるという。
国語 友達の考えを絵と文章で理解
「本と友達になろう」(国語)の発表。児童は自分の好きな本について紹介文を書き、文章に好きな場面の絵を記入して発表する。本時ではB5サイズの用紙に紹介内容をまとめているが、通常の発表ではクラス全員がその内容を見て理解するのは難しい。そこで役立つのが実物投影機による拡大提示と記録データの活用だ。
「拡大提示することで友達がどんな文章を書き、どのような場面が好きなのか、他の子ども達も作品を見て確認できる。また、早くできた児童の作品を内蔵メモリーやPCに取り込み、次時の参考にもできる」
効果的に資料を保存して呼び出すことで、全員でノートを振り返ったり、ノートをもとにした話し合い活動を行える「授業で使える機能」だ。
プラズマ・ディスプレイを背景に置くことで、教師と拡大提示された映像が同時に確認できる
音楽 鍵盤ハーモニカの運指は見て学ぶ
音楽の授業では、鍵盤ハーモニカの指導に実物投影機を活用。小林教諭の手元を、黒板横に設置されているプラズマ・ディスプレイに拡大提示することで、児童は教師の指使いを目で見て確認しながら演奏できる。ディスプレイが教師の後ろにあることで、拡大画面と教師を同時に視野に入れることができ、教師と児童のアイコンタクトもとりやすい。視覚的な指導で児童の演奏技能の向上につながり、授業に立ち会った他の教員から「自分も音楽の時間に実物投影機を活用したい」との声も聞かれたという。
「PC操作は難しいという先生でも実物投影機なら使うことができる。手軽かつ操作が簡単なので教室に1台は欲しい。これからも利用していきたい」
同校では本実践を機に、同社の実物投影機を3台購入。今後も「わかる授業」に向けた実物投影機の活用が期待される。
ここがポイント!
他の先生も「やってみたい」と感じる取り組み
児童のワークシートを拡大提示し、他者を意識させている点や、見本となる児童のワークシートを保存して次の時間に提示するなど、児童に歩み寄った取り組みをおこなっていると思います。児童とのアイコンタクトを意識している点からもそれがうかがえます。また、他の先生方がそういった効果的な活用場面を見て、「自分もやってみたい」と思わせたのは大きな成果です。実物投影機活用の普及については、機器の操作研修ではなくて、「子どもらが集中・注目し、理解が深まった場面を参観する機会」が最大の動機づけになるかと思います。